Dolls [ドールズ] [DVD]

監督 : 北野武 
出演 : 菅野美穂  西島秀俊  三橋達也  松原智恵子  深田恭子  武重勉  大森南朋  ホーキング青山  久石譲  大杉漣  岸本加世子  森昌行 
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感想 : 108
4

6年前に見たのを再鑑賞。
6年前なので、当時はちょうどハタチ、大学1年くらいかな?
当時は、現実味の無い妙な世界観をどう解釈すれば良いのか分からずモヤモヤしたまま観終わった気がする。
かつ、「男(西島秀俊)が最初から彼女(菅野美穂)を裏切らなければ誰も傷付かずに済んだだけの話じゃんかww」という思いに支配されて不快感すら抱いていた。

とあるきっかけでこの映画が再び気になってネットの評価を見てみたら、この映画の本質は何か、過去の私の鑑賞態度がいかに稚拙だったかを知らしめてくれる名レビューに出会い、それを踏まえて再度鑑賞してみた。

キャッチコピーである「愛とは何か」という問いに対する北野監督流の答えがコレなんだろう。
安いバンドマンの歌詞とかその辺の若者のツイートとか、巷に溢れる軽々しい「愛ってなんだ?(笑)」に対する重~い回答がコレ。
私たちが「愛」だと思っているもの、歌われているものなんて生ぬるくってちゃんちゃらオカシイと言われているような気分。

描かれる人々の「愛」の形はどれも極端すぎて現実味が無いんだけど、その実現可能性の低さが逆説的に「本当の愛」の成立の困難性を物語っているように思う。
だから、一年中赤い紐でお互いを結び付けて放浪し続けるカップルなんて居るわけなくても、来もしない恋人を何十年も同じ公園で待ち続ける女なんか居るわけなくても、アイドルの為に自ら失明までするファンが常軌を逸してても、それを「有り得ない」と批判するのは甚だお門違いというわけだ。
(それでも、あんな浮浪者みたいな生活でも菅野美穂があまりにも綺麗なままなのはおかしい、眉とかボーボーになるだろ普通・・・という念だけは今回の鑑賞でもぬぐえなかった笑)

浜崎あゆみがこの映画に感銘を受け、武に頼んで同名の曲を作ったというエピソードがあるけれど、
アユ自身の過去と照らし合わせて、「恋人に裏切られて失意の末に白痴になった女」を自分に重ねるところがあったのかな、と推測。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 邦画(DVD)
感想投稿日 : 2016年6月25日
読了日 : 2016年6月25日
本棚登録日 : 2016年6月25日

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