春を抱いていた 14 (スーパービーボーイコミックス)

著者 :
  • リブレ (2009年11月10日発売)
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本棚登録 : 282
感想 : 21
5

「これを読まずしてBLを語るな」
この一言に尽きるくらいBLでしか表せられない愛の魅力が詰まりすぎてた!!
はじめは衝突しあってるし、無理やりが多いし、流れよく分かんないなと思ってたけどそれは3巻までの話。3巻マジ神巻やった、1番泣いた。夫婦って言葉が作中いっぱい出てくるけど、2000年なったばかりの時でここまで男同士・家族っていうのに焦点当てた作品ってあるのかな??お互いの家族の抵抗とか、世間の偏見が描かれてるのもふまえると、かなり挑戦的な内容だったんだろうなと思った。夫婦であっても恋人っていうスタンスは変わらないっていう関係が唯一無二だから、そこに私たちはとんでもなく惹かれるんですね。攻め受けの逆転に至る経緯も目からウロコ。お互いが抱きたいと思ってるし抱かれたいと思ってる。それは簡単にできることじゃないっていうのを宮坂レイプ未遂事件で改めて思い知らされる構成がまじで遅効性。素晴らしすぎます。
巻を追うごとにストレートに想いを伝えるシーンが増えていくんだけど、その中でも「独占欲」に対する描き方がまじで秀逸すぎる。独占欲が強すぎてイライラする→それをぶつけられると愛を感じられて嬉しい。このもはや怖すぎるビッグラブのスパイラルがまじで癖になる。最高。
14巻の中盤からは心臓が止まった。ていうか正直続編のタイトルがaliveだったからてっきり死んじゃうバドエンやと思ってたんですよね(早とちり)だから読み切った時安心しすぎて…でも順風満帆に進んだところで大地震がくるっていう自然には抗えない現象を最後に持ってくることは、恋愛以外でのメッセージ性もすごく感じられて、日常を大切にしないとって思いました。こうくるか!っていうラストの畳みかけでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月17日
読了日 : 2022年6月17日
本棚登録日 : 2022年5月26日

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