俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3) フィギュア「にいてんごあやせ」付 特装版 (電撃コミックス)

  • アスキー・メディアワークス (2010年12月10日発売)
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感想 : 3
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俺妹コミカライズ3巻目、「にいてんご あやせ」付きの特装版で購入。「にいてんご」だけは購入直後に開封しましたがコミックスは約7年積まれていたことになりますw

ちなみに「にいてんご」は小さめのサイズのデフォルメフィギュアで、「ねんどろいどぷち」と同じだと思っておけば大丈夫。付属の「にいてんご あやせ」は特装版のカバーイラストのようなタナトスのコスプレではなく制服姿で、なかなかの出来です。

1巻ではエロ同人そのまんまだった画風がよほど不評だったのか、2巻は萌えを意識したものに意識的に変え、その旨を後書きにわざわざ書いています。ラノベのコミカライズ作品で絵柄の違いを論うのはちょっと筋違いだと思いますが、でもこの変更はうまくいっていると思いますし、3巻に至ってずいぶん安定したように思います(ブクログの本棚に並んでいる1巻のカバーイラストと3巻以降のそれを比べてみれば一目瞭然ですよね)。ただ、これは大きなマイナスがプラスマイナスゼロに戻ったレベル。絵柄は違うけどまあこれはこれでありかな、であって、絵柄に惚れてジャケ買いするほどではありません(自分にとっては、ですが)。

一方で、
・ 書き文字がどの場面でも全部同じでしかも読みづらい
・ 原作はディテール命の作品なのに背景真っ白
・ 少女キャラ以外はデッサン壊滅
などの欠点はほぼそのままです。

書き文字については、この巻の冒頭、「ぺりゅんぺりゅん」でいきなり読む気を削がれました。<麻奈実が下敷きで恭介を扇いでいる>場面の効果音に「ぺりゅんぺりゅん」を当てはめるのはいいとして、書き文字が目立ちすぎなのに読みづらい。本当に何とかして欲しいです。

背景真っ白なのは相変わらず。作品内作品の「めるる」や、秋葉原の風景、桐乃の部屋のコレクション棚など、ラノベの詳細な描写に輪をかけた情報量の多さが魅力の一つだったアニメに比べ、あまりの物足りなさに悲しくなります。
ただ、少しだけ頑張ったかなと思ったところは、夏コミのショッパーバッグ(のイラスト)とかペットボトルの水のラベル(のイラスト)とか、現地を知っている人ならではのディテールが書き込まれていたこと。でも、せっかく夏コミが舞台になっているのだから他ももっともっとディテールを書いてくれればいいのになと思います。

そして、女性キャラ以外全滅問題は、特に、この巻で出番の多い京介については深刻です。前髪が眉毛の下までペッタリと下がっていてヘルメット感満点、その髪型で目尻がとがっているものだからもの凄く邪悪に見えます。京介ほどお人好しの主人公はなかなかいないと思うのですが…。

さらに加えて、余分なことを始めちゃってくれてます。この感前半は麻奈実エピソードなのですが、「笑い方にも私的に色々と〟“ふくみ”をもたせています。」要は少し下心とか色っぽさが見えるような描きかたをしてあるコマがあるのですが、原作のこの辺りの麻奈実はまだそんなことおくびにも出していなかったはず。そういう解釈を紛れ込ませるのは二次創作でやってくれって感じです。

…まあ7年も前の作品に今さら何を言っても仕方がないのですが。でも、こういうのって編集者の人がついてアドバイスするものじゃないのでしょうか。書き文字とか京介の顔とか、一言言えばよくなるようなことなんじゃないかなあ。ラノベのコミカライズってそこまで手がかけられないのかなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 俺の妹がこんなに可愛いわけがない
感想投稿日 : 2018年1月27日
読了日 : 2018年1月27日
本棚登録日 : 2010年12月9日

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