日本ではあまり馴染みのない宗教の違いによって差別されたり戦争が起きていた16世紀の史実に基づいたスペインの物語。ユダヤ教徒からカトリックへ改宗した人々を「コンベルソ」「マラーノ」と言うそうです。宗教の違いを超えて日々の生活の中で助け合う人達と家族愛、強い信仰心と友情を描いています。そして、ユダヤ教徒が追放されると言う最中に起こる疫病が、私が読んだ現在、新型コロナウイルスに対する世界的な自粛期間と重なり、その事についても考えさせられました。以前に読んだ同著者、同テーマの「太陽と月の大地」よりもわかりやすく、納得感が得られます。背景は馴染みがなくとも、差別、考え方の違いをどう捉えるか、多様化の時代にとても参考になる物語ではないかと思います。小学校高学年でも読めますが、適するのはもう少し視野の広がった人達が良いかもしれません。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2020年5月19日
- 読了日 : 2020年5月19日
- 本棚登録日 : 2020年5月19日
みんなの感想をみる