実践!企業再生52週間プログラム―この7つのステップで劇的に変わる

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2003年10月31日発売)
3.29
  • (1)
  • (4)
  • (11)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 41
感想 : 5
4

Amazon.co.jp

社員300人以下の会社経営者用の、1年間で行う企業再生マニュアルを標榜する本書。経営者として外資系5社を渡り歩き、再建の実績を残してきた著者が、本書でその経験やノウハウを余すところなく披露している。 著者が示す再生プログラムは、社内コミュニケーション、自社、競合、市場(顧客)の分析による会社の進む方向の決定、マネジメント・チームの再編成、商品戦略とマーケティングの立て直し、組織の本格再編、仕事のプロセス管理と内部効率化、戦略確定の7つのステップである。ただ、これはあくまで骨格で、各ステップはじつにさまざまな視点から肉付けが行われている。 その1つが、マニュアルの名に違わぬ実用的なアドバイスである。たとえば、社内コミュニケーションでは、最初の朝礼での宣言から、セットアップした個別面談でどう質問を切り出すかまでをアドバイスし、業績不振の原因や改革の同志を見極めるポイントを掘り下げている。 もう1つは、企業再生はトップを補佐する優秀なコントローラーが欠かせない、企業は組織であり再編は独善的に、といった著者の経験則である。抵抗勢力とのせめぎ合いなど、生々しいエピソードも多く興味深い。また、「経営者の使命の自覚」を唱えてリストラの決断をフォローしたり、市場分析やマーケティングの分析ツールを「社員300人以下」の経営者の実情に合わせて提示したりするのも注目できる。 あらゆるプロセスで企業再生の勘所を示す著者。その核心に据える「売れる仕組みと儲かる仕組み」の構築は、再生が必須の企業トップ以外にも参考になるはずだ。(棚上 勉)
目次
1年間で自分の会社を立て直す
1 徹底した社内コミュニケーションをとれ
2 「三つの要素」で大づかみに分析せよ
3 マネジメント・チームを変える
4 商品戦略、マーケティングをゼロ・ベースで立て直す
5 組織を本格再編する
6 プロセス管理と内部効率化
7 決め手となる「戦略」を確定する

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営
感想投稿日 : 2010年1月11日
読了日 : 2007年10月10日
本棚登録日 : 2007年10月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする