エビの歴史 (「食」の図書館)

  • 原書房 (2020年12月16日発売)
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感想 : 10
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世界中で愛される食材「エビ」について。その歴史や各国でどのように食べられているか、およびエビにまつわる文化と、エビと社会の関り等を簡潔にまとめている。加えて巻末にはエビを使った料理のレシピ付き。

なお、著者は外国人で、本書の原著も英国で出版されたもののようだが、日本のえびせんや、エビが描かれた年賀状の写真なども載っていて、ちょっとうれしかった。

あと、本書で取り上げられているエビはロブスターやイセエビのような大型なものは対象外で、いわゆるクルマエビやバナメイのような小型エビのみ。大型については、本書のシリーズ内で別著者が取り上げている。

ちょっとショックだったのは、エビにまつわる社会問題として、乱獲や、養殖による環境汚染、あと20世紀初頭ではエビ加工のために劣悪な環境の下での児童労働が横行していたというところ。

さすがに児童労働はなくなったが、乱獲や環境汚染の問題は継続していることから、著者は自信を含め、我々消費者に良識ある購入および摂食を呼び掛けている。

かつてエビ消費量世界一だった日本にとって、十分気を付けなければいけない警告の書でもあった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2021年1月26日
読了日 : 2021年1月26日
本棚登録日 : 2021年1月9日

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