レンブラントの帽子

  • 夏葉社 (2010年5月1日発売)
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本棚登録 : 480
感想 : 50

2022年、こんにちは。1冊目。
帯のとおり、しみわたる3つの物語。
ああ、読んでよかった、と思う本は、なにがよかったんだろうと、こうして感想メモみたいなものを書くときに、考える。で、言葉にするのは難しいなあ、といつも思う。が、今年も書いてみる。

初めて出版された1973年から時を経て、2010年に、たったひとりの出版社として立ち上がった夏葉社さんから復刊された。和田誠さんの装丁で。もうこの時点で愛が詰まっている。この本を届けたい、という気持ちが溢れている。

生々しく生きている人々が描かれていた。誰かとの出会いや触れ合いによって気持ちが揺れ、時間が流れ、真摯に相手を想う生き様みたいなものが。人との付き合いはつらくてモヤモヤして、いろんな駆け引きがあって、めんどくさいこともある。だけど、それが人との付き合いというものであって、それでもかすかにでも通じ合うものがあれば、それが生きていく糧になったりもする。

そんなことを、時代も場所も超えた物語で感じることができたこの本は、とてもとても、良い本であった。大満足の2002年1冊目!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年1月5日
読了日 : 2022年1月5日
本棚登録日 : 2022年1月5日

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