大学受験のための英文熟考 (下) (熟考シリーズ)

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  • 旺文社 (2008年7月16日発売)
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 英文熟考の上が基本的な内容であったのに対し、下はもう少し発展的な倒置、強調、比較、省略について。発展的と言ってもこういう項目の中では割と基本的な部分なので、高2のはじめか中頃で読むとちょうどいいのでは。
 上とセットで買ったのに、booklogの記録によれば結局上と下の間で4年も間が空いてしまったという。生徒は3年しかないのに、やっぱり大人って悠長だよなあと思ったり。3〜4行の1文以上の英語の訳を考える。上と同じく、例えばwould, couldは過去じゃなくて現在のことだ、とか重要な項目が繰り返されるのが良い。それからほとんどの英文は、文脈から切り離されたその状態でも分かる(ものが多い。分かりにくいのもあったけど)。あとは特に比較の構文は、やっぱり後ろの接続詞asとかthanがどういう文同士を結んでいるのかを常に考えないといけないと思うが、そういうことが順を追って丁寧に解説されているのがとても良かった。例えばas ~ as S canは「できるだけ〜」となるけど、We must make as much effort to preserve nature.とWe can make much effort to do it.がasで繋がれているから、「しなければならない努力の量」≧「できる努力の量」となるので、結局「できる限りの努力」という訳になる(pp.116-7)とか、all the 比較級 because ~は、①The 比較級, ②the 比較級があって、これが②the 比較級 because になり、because の強調でallが入る(p.133)、とか。こういうのをちゃんと説明してくれるのが良いと思った。
 名詞構文の処理とか、強調構文とか、倒置・省略・挿入の見抜き方とか、一昔前までなら割と受験生の常識なんだけど、今はどうなのかなあ。とにかく、特に構文ちょっと難しい系の下線部和訳をしないといけない大学を受ける人は、早めに読んで定着させた方がいいかも。講義CDも付いている。(23/08/13)

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感想投稿日 : 2023年8月14日
読了日 : 2023年8月13日
本棚登録日 : 2023年8月13日

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