まず非常に力のある絵でもって描かれる人物と西チベットの風物が魅力的。
今風に洗練され過ぎない絵柄が、映画的で大胆な構図と合間って独特の生気ある空気を際立たせてくれる。
尼僧院に入る時の読経の音と室内の空気に包まれるシーンや、逆に外に出る時の日差しの眩しさと言ったら!
登場人物はメインの2人が過去に背負うものを持っており、
方や未熟さが迂闊さに繋がって危なっかしかったり、
方やヤマアラシの様な臆病さに心配になったり。
彼らの曇りが晴れてもっと温かさを得られる様に願って、謎多き目的地への旅を見守りたい。
ところで巻末にあった電動マニ車は、動かしたら誰の功徳になるんだろう?
発電所の人?
追記:マニ車は自己の功徳のみでなく、衆生すべてへの祈りも込められているらしい とか。
知識として部分的に知っている大乗仏教の概念が
実際に社会に広く自然に根付いているのは、今更ながら面白い。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年9月15日
- 読了日 : 2014年9月15日
- 本棚登録日 : 2014年8月14日
みんなの感想をみる