メルトダウン 金融溶解

  • 成甲書房 (2009年7月31日発売)
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難しい数字や統計は使わずに、解り易い例え話で経済を上手く解説してくれます。
バブル経済を 「数週間町に留まるサーカス」に例えたり
信用創造と、ただ通貨を増刷したとの違いを 「パン屋とくつ屋」に例えたり モノが絶対であって、通貨はその媒介にすぎないという事を改めて認識させてくれ、バブルの後の不況時に通貨だけ増やして景気回復を望んでも 「プールから水を汲んで、そのプールに戻す事で水位が上がるのを期待しているようなもの」 なのです。
金融機関にマネーを注ぎ込んでも、彼らは皆を豊かにするモノやサービスなんか持っていないのです。 政府機関が思いのままに通貨を発行し、金利を操作することが全ての原因です。 その事をオーストリア派経済学の基本知識で読み解いてくれます。 もしこのまま金融緩和政策を続け、公共投資を拡大し、従業員の給料を維持しようとしたら、 失業率は20%で推移し不況は10年続くと確信しました。
そして不況が既成事実化して何年もした時、 ようやく政府は糾弾され、長年貨幣たらしめていた貴金属の側面こそクローズアップされるのかも知れません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2010年7月12日
読了日 : 2010年6月29日
本棚登録日 : 2010年6月29日

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