自殺前の日記はえっと思うほどの内容だ。いや、これほど希薄だからこそ、死に向かったのだろう。厚い思索があるときは死なない。
それ以後の日記はハッとさせられる。本当のことを言ってしまっているのだ。
・「自分を信じることが大切」というが、まず自分を疑うことが実は大事なのだ。
・「趣味」で友人を選ぶな。大人か子供かで選べ。
・自殺は悪くないってことになると、今度はもういじめる相手がいない最底辺から順番に自殺してしまい、社会が成り立たなくなってしまうので、この世は自殺は罪悪という常識を作っている。
・悩まなければ人になれないのに、他人に言うと、あんまり悩まない方がいいと言われる。そうか、悩まない方がいいのか、と思ってしまうので、問題が永久に解決しない。
・自分を見失いそうになったら、状況を物語に書き出してみよう。客観的に状況を把握できるよ。
※お父さんの後書きが批評として屹立している。西村賢太の解説は、日本語が美しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本<生の軌跡>
- 感想投稿日 : 2019年10月29日
- 読了日 : 2019年10月29日
- 本棚登録日 : 2019年10月28日
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