乱世を生きる人々にとって、安全保障は一方的に与えられるのではなく、勝ち取っていくものでもあった。山に砦を擁する村、強い領主を選ぶ村など、能動的な百姓の姿が興味深い。何でもありの状況下では、放火虐殺や飢餓で死ぬのは勿論、生き残っても奴隷売買や人質ビジネスの憂き目に遭うなど、一歩選択を誤れば地獄が待っていた。その中で人々がどうサバイバルしたか、大名同士の争いだけではなく、それが戦国時代そのものという気がした。古い著作を再編集した本なので、中世から近世の村の風習などを扱った章も挟まれ、それ自体は興味深いものの、全体的に統一感が無いのは惜しい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2021年10月10日
- 読了日 : 2021年10月10日
- 本棚登録日 : 2021年10月10日
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