あり来たりなタイトルだが、単に信長の戦歴を羅列したというより、戦場の地形と信頼の置ける史料に基づいて論考した、戦国時代の戦争の実態といった内容。兵士の消耗を出来るだけ避けたかった戦国大名にとって、調略や外交は大きな意義を待ち、これを踏まえない事には戦国時代も読み解けず、戦争を極度に好んだとされる信長の戦略からもそれは濃厚に伺われる。また従来の軍記もののイメージが特に強い桶狭間や長篠の戦いに関する論考は読みどころ。史料は信長公記の引用がメインで、そこに依存(信頼)し過ぎな面はやや感じるものの、行軍行程や地図を用いた詳述には説得力があり、最後まで飽きなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2017年3月24日
- 読了日 : 2017年3月24日
- 本棚登録日 : 2017年3月24日
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