日本マンガ全史: 「鳥獣戯画」から「鬼滅の刃」まで (944;944) (平凡社新書 944)

著者 :
  • 平凡社 (2020年6月17日発売)
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漫画の起源からマンガの現代までを概説。フラットな立場で、作品と作者(達)を幅広く取り上げ、時代やテーマの配分も適切。完成度が高い。戦後、雑誌がマンガの発展を担い、やがてメディアミックスにより一大産業となり、出版業界が衰退した今日は、電子版に新たな可能性を見出している。黎明期、世に届ける(受ける)作品を模索しリードした編集者の役割は大きかった事には、思いを致した。貸本屋、アニメ(映画)、ゲーム等といった、マンガを取り巻く生態系にも目を配る事で、その一器官としてのマンガの姿をも炙り出している。言及される作品数は過不足無い印象で、よく知られるマンガが大抵網羅され、著者の好みが反映されていないところにも安心感があった。マンガの存在感が向上、定着した今、文化史の側面も持つ、お薦めの通史。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2020年7月19日
読了日 : 2020年7月19日
本棚登録日 : 2020年7月19日

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