兄を銃乱射事件で亡くしたアスペルガー症候群のケイトリンとその父の再生の物語。ケイトリンの一人称で物語は進む。
書かれていない父の苦しさはすぐに想像できる。大事な息子をなくし、娘の「こころない」言動に傷をえぐられる。娘は決して「こころない」わけではない。そういう障害だとわかっているけれど、きもちはもちろん傷つく。彼は孤独だ。
ケイトリンは目を見るのが苦痛、触られるのが苦痛、人の表情を見ても感情がわからない、言外の意味がわからない。でも、ケイトリンだって、大切な兄を失って苦しんでいるのは同じなのだ。毎日毎日、彼女は人と関わるために必要な知識を得るための授業を受け、努力して努力して人と関わっている。
ケイトリンの努力と勇気が救われるラストがとても気高かった。努力に努力を重ねないとスムーズに他人と関われない人がいるということを知ることができてよかったと思う。感動しました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
こども
- 感想投稿日 : 2013年11月14日
- 読了日 : 2013年11月14日
- 本棚登録日 : 2013年11月14日
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