引きこもっていそうな女の子は、もこっちよりもオギーをイメージして読んでしまいます。はい、どうでもいいですね。
このあいだ「三日間の幸福」読んで、この人の本はこれで二冊目。全然幸せじゃないのにこの二人の組み合わせはいいなぁと思う作風だ。
小学生の卒業前に転校したときから続いた霧子との文通は五年前、瑞穂は返信せずに一方的に終わらせた。
二十二歳になって今更会いたいと手紙を送って指定場所で待っていても来てくれるはずもない。
自棄になりウィスキーをひっかけて車に乗り込みアクセルを吹かしたその先で人を轢いてしまった。はずだった。
「私、死んじゃいました。どうしてくれるんですか?」
そう言って学生カバンで殴ってきた女の子は傷一つしていなかった。
彼女は、自分の身に起こる災難を”先送り”にできるという。そして、自分の死を十日後に先送りにしてしまった。
もう死んでしまったことですし、あなたには私の復讐に付き合ってもらいます。
自分の人生を台無しにした連中を殺しに行きますという彼女に付き合って、一人ずつ洋バサミで刺し殺していくのを手伝うことになった。
この著者はタイムリミットを使うのがうまい。そして、最後はどうなったかというのを明確に描かないから後に残る。
読みやすいし、この作風は好きだなぁ。この人の本を二作読んで、この作家は来たなぁと久々に思える作品だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年1月29日
- 読了日 : 2016年1月29日
- 本棚登録日 : 2016年1月29日
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