相変わらずのご都合主義な展開にちょっと飽きてきたかな・・・、と、思いつつ読んでたはずが、オチがよかったー。
これほど読了後スッキリと
「ええな。楽しいな」
と、思える本もなかなかないね。
いいよいいよ、ご都合主義、ほんまいい。小説やもの。いちいちややこしくするよりは、こんなふうに、まるっと終わるのもいい。
タイトル通り、ある程度「いい加減」に読むくらいがちょうどいいのかも。
せやけども、今回のやや飽きてしまう「ご都合主義」は、やっぱり佳乃の子育て事情やろうな・・・。
妊婦期間はギリギリいいとしても、新生児、乳幼児期間にああも恵まれた環境にいる日本人はまあいないやろうな・・・、と、思った。
いやいや、セレブなみなさまはあんなもんなんかな?
作中で佳乃自身も「自分は恵まれている」と、いうていたけれど、当座のお金の心配はない、それやのに自身は仕事が続けられる、ちゅうのも周囲に(子育ての)助けがある、極め付けは旦那も協力的、ってほんま(女性が求める)最高の環境やろうな。
あんまりこういうのもアレやけど、私は男尊女卑の古い企業に勤めていたため(エレベーターで女子が先に乗り降りすることが許されないような)、女性の社会進出、とか、それをさせたいなら会社が雇用形態を考えろ、とか、色々な主張もごもっともと思うと同時に
今、生きてる人が死に絶えるくらい世代交代しないとそれは無理やろうね・・・
と、心底思っている。
仮に自分の勤める会社が女性蔑視しなくても、相手企業はしてくるからね~。なんちゅうかかんちゅうか・・・キリがない・・・?
それを
「もう、仕方ないな」
と、思える程度にはあらゆる対応を受けたと思うので、余計に、この話の佳乃の
「都合いい展開やな!」
は、鼻で笑う以前に、
「こういう世界も、イイ!!」
と、応援したくなってしまう。
ほんで、それ以上に、佳乃が「外の世界に出る」と、いうことをおおらかに受け止めた俊紀がすごいわ~、と、思った。
最終的にこの話が飽きないのは俊紀が男前やからやろうな(顔の造作だけではなくて)。
佳乃の能力をちゃんと認めて、彼女の好きにさせる。
そして自分を愛してもらえるための努力もし続けるちゅうね・・・。
「お前は俺の嫁なんやから、俺のことも家のこともやって当り前!!」
とかいう意味の分からない縛りや暴力で括り付けるのではなく、ちゃんと佳乃に惚れさせるこの度量ったら。
女性としては永遠のあこがれやね~。
まあ、佳乃も大概の高スペックなんやろうけどね! 女性にも努力が必要ということで・・・。
はじめての妊娠と出産は、私もあり得ないくらい不安でしたなあ・・・。
あんなに不安になったのは初めてちゃうかってくらい、不安やった。
口に出したらそれが現実になってしまいそうで怖くて、そのため不安を誰に相談することもなく10か月過ごしたけれど(それも、よくある話やろうね)、くじけそうな気持を後押ししてくれたのは、いつも、お腹の中の赤ちゃんやったわ。
だから私は未だに、長女に頭があがらないのかも(笑)。
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■「華燭の典」 かしょくのてん
結婚式を祝していう語。華燭の式。「―を挙げる」
■コット
(2016.09.25)
- 感想投稿日 : 2016年11月8日
- 読了日 : 2016年9月25日
- 本棚登録日 : 2016年11月8日
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