18世紀の博物学界隈を例に、科学というものは当時の社会規範や常識からの影響から逃れられないという話。なぜ数ある哺乳類の特徴から、リンネは「乳房」を名前に使ったのか。言われてみたら確かにという感じ。
タイトルの「女性を弄ぶ」というのはちょっと本の内容からずれている。内容を反映させるなら「女性を拒む博物学」と言ったところだろうか。それでもまだ半分しか正しくない。拒まれていたのは女性だけでなく、有色人種も、である。こうしてみると、この本のタイトルもまたジェンダー観の影響から逃れられていないように見える。
昨今、ダイバーシティがなぜ叫ばれているのかということについて、この本は一つの答えとなるように思える。一方でこの発想は、同じ属性を持つ人は同じ考え方をするということが前提にある。これはこれで役割の押しつけだとか、ステレオタイプがどうとかで批判されないのだろうか。ほら、女性らしい発想を求める、とか嫌いな人多いだろ。
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- 感想投稿日 : 2018年3月18日
- 読了日 : 2018年3月18日
- 本棚登録日 : 2018年3月18日
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