女たちの本能寺 (祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社 (2020年9月1日発売)
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感想 : 9
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史料や文献を渉猟し、光秀と信長に関連する七人の女性(濃姫、煕子、御妻木、お鍋の方、お市の方、細川ガラシャ、春日局)の人生を探訪した歴史エッセイ。
なかでも、より興味が惹かれるのは濃姫(帰蝶)。
ある時期から名前そのものが消えて、北の方とか行動だけで記される。このときから、離婚説、病気説、さらに死亡説が歴史家の間で語られる。
著者も彼女について、より筆を費やし、以降の正妻を思わせる著述は、吉乃やお鍋の方ではないかと推量する。
それだけに歴史作家の想像力を刺激し、さまざまな濃姫(帰蝶)が造られている。
司馬遼太郎著『国盗り物語』では、本能寺に同宿し共に戦ったと。
諸田玲子著『帰蝶』では、新史料から信長の27回忌までも生きて天寿を全うしたとする。表舞台に現れなかった理由として、痘瘡の後遺症を挙げている。
宮本昌孝著『ドナ・ビボラの爪』では、帰蝶は姦通を疑われ信長に殺されることに!
現在放送中の大河ドラマ『麒麟が来る』での帰蝶は、どのような最期で描かれるのか、興味が持たれる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史エッセイ
感想投稿日 : 2020年11月25日
読了日 : 2020年11月23日
本棚登録日 : 2020年11月25日

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