劉備徳子は静かに暮らしたい 2 (花とゆめCOMICS)

著者 :
  • 白泉社 (2017年8月4日発売)
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感想 : 2
4

わかりやすく「恋」に変わっただけで今も昔もおんなじ「君」が好きなのかもね。

「三国志演義」がそうであったように本作は「蜀」視点で描かれることが多いわけです。
そこで外せない「諸葛亮孔明」さらりと登場です。
三国鼎立の構図を提唱した物語のキーとなる人物であり後半の主役も務める彼ですが、年齢を落として小学生にすることで他のキャラを食い過ぎないよう配慮したようです。恋愛そのものには絡めず、引っ掻き回す役が実に似合っています。

元々のキャラが濃すぎる呂布が一巻のおまけで触れられ、絶対に本編に絡めないような設定が付与されたように、その判断は間違っていないと思います。
際限なく三国志キャラを投入してもそれはそれで面白くなりそうですが、ひとまずは多めのレギュラー陣でラブコメを回す方針で進める風に見えます。
呉の親族として兄の「孫策」が前世と変わらず兄(チャラい)として登場したので、あっちの路線も考慮に入れているようですね。

前世の因業がシリアスに回る展開も一応覚悟しときますが、それにしては思わせぶりにしても全編がゆるめだからまぁ安心かなーと。

なんにせよ、急進的改革を行う「魏」VSそれを緩めるよう動く「蜀」が目立った一巻から打って変わって呉が躍進した二巻でした。
デザイン的には孫権が赤毛ってネタを拾っても良さそうなものですが、それはそうとぽややんとしていて、何を考えているかわからないお嬢さんってキャラが第三勢力として実にいい味出しています。
女の子になっているのに、なぜだか脳が違和感を考えてくれません。
お目付け役の周瑜も、激情を隠して目立たないように振舞う参謀役が板についています。

で、思ったこととして。
冷徹なイメージがあるのに、案外懐に入ると隙があったりどこか抜けたエピソードも満載で愛嬌のある曹操のキャラクターと女体化ネタの相性がいいんですよ。
個人的感想ですが、基本この手の話は偉業込みの事績としての人物を女性として擬人化したに過ぎないと思っているのに曹操周りは当人の延長として見れるというか。

赤面が可愛い。男が惚れる男は当然女も惚れるわけですが、関羽を追い求める姿は女の子として見れます。デザインもいいし、魏の三人はかなりイメージを捉えていると思うわけです。

ただ一方でどうしても劉備を巡る関羽と張飛の恋の駆け引きが馴染まない。
一巻で言ったように馴染んだ時がこの物語のラストなのかもしれませんが。
結局はこの作品を少女漫画として受け入れるためには慣れと相応の時間が要るのでしょうね。
君臣の間柄を越えて「君」と呼べるか、少しずつ恋の行方を楽しませていただいていますが、さて次はどうなるやら?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: LoveComedy
感想投稿日 : 2019年3月4日
読了日 : 2019年2月25日
本棚登録日 : 2018年5月10日

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