唖然として、すぐにこれ面白い!と思った本が、この「小さな骨の動物園」で、さらによくよく読んでみたら、なんとあのゲッチョ(盛口満)ほかの著した本だと分かり、なるほどだった。
写真は、光線の当て方や角度など計算され構成されているのがユニークで、「骨格」なのにリアルで息づいているように見えるから不思議だ。
例えば7ページのツバメとスズメは、骨とはいえこれはもう、よく知られているあのツバメとスズメなんかではまったくなく、何か次元の違う別の生き物に違いないとさえ思わせるほどに独特な個性と迫力があって、製作した人の愛情とユーモアさえ感じられてしまうのが何とも心ニクイ。
読み進んで、骨に惚れたというフランクフルトの博物館で標本技術者をしている相川稔氏の、「北海道の浜へ出かけてはイルカやアザラシを大量に宅急便で学校に・・・」という一文に出くわし、すぐさま、何年か前に読んだ盛口満・著「ぼくらが死体を拾うわけ」で、一番印象に残っているあの「ミノル」少年のその後だと分かって感慨深く、本当にうれしい本だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
サイエンス
- 感想投稿日 : 2011年2月7日
- 読了日 : 2011年2月7日
- 本棚登録日 : 2011年2月4日
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