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  • 祥伝社 (2010年11月8日発売)
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本棚登録 : 843
感想 : 75
4

矢飼先生は、派遣を「使い捨て」と言うなど
態度は悪いのだがどうも憎めない。
よく言えばやんちゃに見える。

テレビで取り上げられる病院は医師、看護師、患者まで。
今でこそもう少し幅広くドラマなどにはなっているが
昔は医者ばかりだったと思う。

男と番いになる方が大事。
でもはじめるなら今しかないと思った。
手に職があってダブルワークをしようと思うだけで
とても偉いと思う。
自分も人に触られるのは嫌だが、
仕事で自分から触る分には触れるから分かる気がする。
顔見知りを呼んでテストで施術して
何が足りないのか考える。
割引くならまだしも金を取らないのは甘いと思うが
日中は別の仕事をしているのだから
開店準備に時間がかかるのは当たり前。
家主のシロなら兎も角、何故茶沢にしかも口汚くうるさく言われなければいけないのか。

矢飼先生がいつも左手をポケットに入れている理由。
患者にしてみたら人生に一度あるかないかの悲劇でも
医者にとっては数ある案件の一つ。
それを表に出して欲しくは無いが、仕方ない事でもある。
のしかかる終わりの見えない負担に思い余る気持ちは分かるが、だからといって病院に忍び込んで
先生を刺すという発想が。
ゆっくり絶望していく という言葉は重いし
それほど追い詰められていたとは言え
助けてくれた人を恨むようになるものなのだろうか。

恋人と出掛けに些細な事で喧嘩をして
事故に遭って自分の病院に担ぎ込まれ
あまりの重篤さに助からない方がいいかもしれない
と思ってしまう。
しかも男と車に乗っていたという。
あまりにも報われず、切り捨てることも出来ない。

仕事に集中することでイライラが治まって
少し元気ができる、というのは素敵だ。
手を動かす、創り出す作業なことも良いのだと思う。
完成が目に見えるのが良い。
共感した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2021年3月18日
読了日 : 2021年3月17日
本棚登録日 : 2021年3月17日

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