海くんが左右十郎の名を継ぐということを
大人である憲ちゃんと全く同じではないかもしれないが
意識し考えているところがすごいと思うし
それが伝統芸能の家に生まれるということなのだろう。
自分じゃ駄目なのでは、と自信がなくなるのは
能が嫌なのではなくて、寧ろ好きだからなのだろう。
憲ちゃん自身、舞台に立つことが当たり前だと思っていたところから、
お母さんに「舞台以外の道も考えていい」
と言われるシーンも印象的だ。
初めて舞台を続けるかやめるかという選択肢を手に入れることになる。
続けるということが、惰性ではなくて
自分で選んで続けることになる訳で、より一層重くもなるし
真摯に向かうことになるだろう。
韓国の話は、そもそも韓国の唱える歴史について
思うところがあるのでもやもやするところもあった。
招かれたから行っているのに石を投げられても、と思うし
「でも日本人が昔悪いことをしたから」と思うほど
歴史に無知でもないので。
ただNYの時に黄色人種として軽い差別をされたのと
対比になっている構図は良い。
『どうせ全員ベストを尽くす』という言葉が良かった。
確かに言われてみれば、種の保存にも関係ないのに
人間はなぜきれいなものに惹かれるのだろう。
『人間を美しいと思うのは人間だけだ』
という言葉もとてもきれいで印象的だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
コミック
- 感想投稿日 : 2022年12月29日
- 読了日 : 2022年12月17日
- 本棚登録日 : 2022年12月29日
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