アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり (4) (ゼノンコミックス)

著者 :
  • コアミックス (2020年4月20日発売)
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感想 : 21
4

生理痛の話、確かに母親に八つ当たりしても仕方ないことではあるのだが、
自分の生理痛が軽いからといって娘に「生理痛位で」と言うのはひどいと思う。
男性側から生理について気遣ってくれるのは嬉しいが、
イライラしている=生理?はデリカシーがないと思ってしまう。
誰にも相談できず自分でなんとかしようとサプリを飲んでいた訳で、それが逆効果になっていたのは気の毒だけれど
拠り所が複数あると言うのは本当に良いことだと思う。

病院もボランティアでやっている訳ではないから
病床稼働率を上げて稼がないと、と考えるのは仕方ないが
かと言ってこのままでは病院に依存してしまうのでは
と思われる患者の入院を引き伸ばすのは違う気がしてしまう。
後日サポートすべき立場なのに同期で話しやすいから
感情で話してしまった、と謝る葵が偉いし
庄司くんも余裕がなくて、と話しをしてくれて良かった。
ある程度仕方ないのかもしれないが、点数がつかない仕事だってたくさんあるのに、哀しい。
薬局薬剤師さんが病院に行っても報酬にいはならないというのも同様だ。

小野塚さんは自分が葵だったら苦手かもしれないが
こうして傍から見ている分には、メールもくれるし
電話もすぐかけてきてくれるし、いい人に思える。
かかりつけ薬剤師は地獄のような制度、とはっきり言ってくるところも好き。
確かにいつでもオンコール状態なのは絶対にきついと思う。
病院で薬局を教えて貰えるものだと思っていたので
利益供与とみなされるからお勧めもできないとは
知らなかった。
カルテの閲覧もできないのに連携という
システムも整っていないのに言葉ばかり先行するという
こうしたことはどこの世界ででも起きているのだなと思うとがっかりしてしまう。
どうして個人に負担を増やすばかりで環境を整えてくれないのだろうか。
実際薬剤師にそんなに相談して良いという印象が自分は無いので、
相談していいんだと思わせて貰えるだけでも違うと思う。

在宅に特化した薬局を自分で作ったという仁科さん、
とても凄い。儲かってはいなくても必要だと自信を持って言えるというのは恰好良い。
話を聞くのが全医療者の役割というのが素敵だ。
実際にはそう思っている医療関係者でもそうできる時間等の余裕が無いことも多いだろう。

見学に行った3人が
今すぐどうこうではなくても、この先の
大きな選択肢を知ることができたと話しているのが印象的だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミック
感想投稿日 : 2021年5月30日
読了日 : 2021年5月30日
本棚登録日 : 2021年5月26日

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