下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)

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  • 光文社 (2005年9月20日発売)
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マーケティング関係ではトレンデぃ~な一書。

「下流」というのは著者の造語だそうだが、「基本的には“中の下”であり、食うや食わずの“下層”というわけではない。しかし“中流”に比べれば何かが足りない。何かとは、“意欲”である。中流であることに対する意欲のない人、中流から降りる人/あるいは落ちる人、それが“下流”」なんだそうだ。

1億総中流時代と言われたのはバブル前の頃であったが、その中流が分解し、下流に向かう人が増えている。

折しも「社会の格差を首相が認めた」とか何とかが話題となっている。でも意欲や能力がない“下流”なヒトビトが増えて格差が広がっているというのは、別に首相の失政ばかりではなく、物量的に豊かな(だった)時代の帰結なのではないかという気がしている。

衣食足りて礼節を知るともいうが(日本人に礼節などもうない)、衣食足りて満足しちまったんだろう。

そういう緊張感のなさが、4点セットとかメディアを毎日にぎわせている社会的問題にも繋がっているのではないだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2019年6月13日
読了日 : 2006年2月8日
本棚登録日 : 2006年2月8日

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