江戸幻獣博物誌: 妖怪と未確認動物のはざまで

著者 :
  • 青弓社 (2010年10月22日発売)
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感想 : 2

メタモルフォーゼを扱った3章を読んで、昔の人はハマグリがスズメになるとか山芋がウナギになるとかナチュラルに信じていたんだな…とちょっとフフってなったけれど、よく考えたらオタマジャクシがカエルになるのも大概意味分からないし「それがアリならこれもアリ」となるのは当然か。ミノムシが蛾になるのなんて実際には見たこともないし。(蛇が蛸になる話はミミックオクトパスの映像を思い出せばめちゃめちゃ納得がいく。)

鳥の声を聞きなしを扱った6章で指摘されていた、西欧と日本ではカッコウの聞きなしにそれほど差はない(クックウーカッコウ)けれど受ける印象は全く違っているらしいという話は面白かった。確かに不吉な鳥を時計のからくりにはしないだろう。日本では明らかにカッコウの声なのに「鳩」時計と呼ぶ。

5章「一足鶏と鶏三足」に
(2)ナンシー関編著『ナンシー関の記憶スケッチ・アカデミー』(カタログハウス、二〇〇〇年)に、四本足の鶏の表象の例がある。
という注記があって懐かしさがこみあげてしまった。あったあった確かにやけに上手くてタチの悪い4本足の鶏の絵。また読みたいな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読了本
感想投稿日 : 2022年5月6日
読了日 : 2022年10月7日
本棚登録日 : 2022年5月6日

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