問題を解決するために、アルゴリズムとデータ構造を活用する能力を養う本です。
以前は別の出版社から発刊されていましたが、技術書の取り扱いを終了した後、新たな出版社に引き継がれました。 そのため、出版年は新しめに見えますが、実際には 2000年に出版された割と古い本です。
限られたメモリで問題を解く方法や、十分な実行速度を得る方法についての話題が豊富にあります。 扱っているアルゴリズムとデータ構造は、他の入門書でも取り上げられているようなものが多いですが、 大抵のアルゴリズムとデータ構造の本とは逆で、 まず現実の問題があって、そこにどんなアルゴリズムやデータ構造を適用していくか検討するという順序になっています。 そのため、より現実に近い形で、問題解決の考え方を学ぶことができます。
どんどん読み進めて思考の過程を楽しむのも良いですし、立ち止まって自分なりに考えを巡らしてみるのも良いでしょう。
各章の終わりに豊富な練習問題があります。 現実の問題を解決に導く方法をあれこれと考えさせられるような良問が多いですが、 解答例があったりなかったりするのが、ちょっと残念なところです。 「考えること自体が大事」といったところでしょうか。
最近では、メモリも速度も十分なことが多く、この手の話題を気にすること自体が少ないかも知れません。 本書の内容を実際のプログラムに無理に適応しようとするのではなく、 考え方・思考の過程を学ぶことが重要だと思います。
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カテゴリ:
アルゴリズムとデータ構造
- 感想投稿日 : 2017年7月31日
- 本棚登録日 : 2011年7月3日
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