ブラック企業に負けない

  • 旬報社 (2011年9月26日発売)
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感想 : 7
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日本経済の恩恵を受けている限りは,注意深く今後の雇用や失業などの政策,法案だったり社会の動向を知る必要があると思う,
それに自分だって,今後ずっと関係ないと言い切ることはできないかもしれない,できれば無関係で居たいけれど・・・
それで読みました.


法律は,使わなければ役に立たない,
そもそも知らなければ何の意味もない.
と感じた.

在野で労働者のための活動をおこなっている
法関係の若い方々によって書かれた本である.
実際にあったケース,考えうる対策や相談先,知っておくべきこと,関連する法律,「ブラック企業」が話題となった背景,そして今後解決すべき課題や期待されるべき政策などが記されている.
簡潔だが熱い思いの感じられる本だったと思う.

感じたこととしては以下.
今の時代,法令整備がされない限り,どの企業も,どの経営者も,ブラック化する要素を含んでいる.といわれている.
また,法令や政策が制定されたからといって終わりではなく,社会のなかで企業や個人によって運用されなければ意味がない

一流大手で売り上げがよい,事業や活動エリアが拡大している,業務のマニュアル化やプロジェクト化が進んでいる,新卒採用数が多い,
といった一見よさそうな企業こそ,福利や年功賃金制度,勤務時間,雇用契約の中身などをチェックし,
社員をどのように扱っているか?雇用をどのように見なしているか?に注意が必要でもある.


大きな不況を経たいまこそ,企業の雇用体質が社会全体に露呈したのではないか,と思う.
営業であれ管理であれ専門職であれ,
一人ひとり社員が持つ知識や経験,技術は,
企業にとっての新たな可能性を示す,大きな財産であるはずである.
また,社員は企業の事業を継承するための媒体でもある.

これらの若者を疲弊させたり,離職させることは,
その企業や産業の未来そのものを暗雲たるものにしていると考えられる.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2013年4月27日
読了日 : 2013年4月27日
本棚登録日 : 2013年4月20日

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