新潮選書 「3」の発想 数学教育に欠けているもの

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  • 新潮社 (2009年10月24日発売)
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主に、近年の「ゆとり教育」における数学の履修範囲の縮小に対する批判です。数学の専門的な話を期待していると肩透かしをくらいます。
2桁の筆算だけでは一般的な筆算を理解することが難しく3桁の筆算の履修が必須であるとか、2項演算(例えば、35+48)ばかりのドリルではダメで3項演算(例えば、35+48*12)が必要だとか、3という数字を元に展開しています。
何かを習得するとは
1)事実として知ること
2)背景を理解し考えること
3)身につけたことを説明でき、
の3つができることだと言っています。特に3番目の項目はマークシート形式による試験では測ることができないので、論術式の試験に改めていく必要があると主張しています。
識者と呼ばれる人の中にも「社会に出てから数学はまったく役に立たない」とかいっている人がいますが、おそらく項目1)しかできていなかったからでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2010年11月14日
読了日 : 2010年11月14日
本棚登録日 : 2010年11月14日

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