セキレイ 7 (ヤングガンガンコミックス)

著者 :
  • スクウェア・エニックス (2008年7月25日発売)
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本棚登録 : 426
感想 : 9
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セキレイの戦いは一対一がマナー! 勝てばよかろうのサバイバルバトルのお膳立てをした上で、同時にマナーも設定するなんて御中はあいかわらずどうかしているな。
バトル漫画的分類で言えば今後の東西南北の集団戦は、個人技スポーツ漫画でおなじみ「団体戦」の様相になると考えればいいのか。スポーツの団体戦なら所属チームが勝ち上がりさえすれば敗者も復活するが、セキレイの場合一度負ければ復活できない分シビアだ。全員羽化した以上、今後の戦力補給が望めない消耗戦でもあるわけか。

御子上の好きになれる要素がほとんどないお坊ちゃんぶりに痛烈なかませ臭を感じるが、秋津のおかげで若干株は上がった。本当に葦牙はセキレイあっての葦牙だな。
結局純粋に戦力として見たとき葦牙は「補給基地」でしか無いわけで、戦場での葦牙にはそれこそ今回の皆人のようなメンタル面の拠り所としての器が問われるのだろう。君主と兵士の関係として見れば理にかなっている気もする。
とりあえず今回ラスト、わい男の篝ちゃんが好きなんや!でもないにもかかわらず事に及ぶにためらいのない様子で、皆人の大器は証明された。美哉が言うよりもこのシステムの中では意外と機能的な葦牙なのかもしれない。いまだ個人対個人の関係性の中で完結している妹よりはるかに能力値は上だぞ!
システムはともかくマンガ的にも丁寧に皆人の魅力が描かれていて、わい男の(略)でもない皆人がああ動くことで真摯さが浮き彫りになる感動的な名場面になっていた。いろいろ倒錯的だけど、何処かにあるというデストピアおちんちんランドに精神的国境を接するこの国でこの程度の煮え、何するものでもあるまい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: スクエニコミック
感想投稿日 : 2008年7月28日
読了日 : 2008年7月28日
本棚登録日 : 2008年7月28日

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