坂本龍一も推薦の本。難しい科学技術書というものではない。中学生でも読めるような、わくわくする科学の本だ。著者は、新しい宇宙エレベーターの設計をし論文を発表しているが、それについては1章分を割いて書かれているだけ。宇宙について、時間について、など少年少女の抱く科学についての疑問をテーマにして、豊富な写真やイラストも添えてわかりやすい口調で説明されている。後半は科学を飛び越えて、超古代史の話も出てくる。
著者はトルコ人で初めて宇宙飛行士となることが決まった科学者。1973年生まれで幼い頃から各国を転々とし、東大で研究活動に従事していたことからも、日本語にも堪能。小学生の発明コンテストで太陽電池を作って優勝したり、高校生のときにはサッカースタジアムに33kmの長さのコイルを巻いてタイムマシンを造る実験をしたり(当然失敗したが)と、天才ぶりを発揮している。
ゼカリヤ・シッチンの資料を引き合いに出してたり、「フラワーオブライフ」の図が載ってたり、『竹内文書』の超古代の世界滅亡の話まで出てきてしまう。古代シュメール語を解読できる著者は、ルーブルに保存されているシュメールの石版に書かれた詩を日本語に翻訳して紹介もしている。
宮崎興二氏(京都大学教授、建築学・高次元幾何学)との出会いは日本で最も刺激的だったと、彼の高次元空間の話も引用している。
理系離れ、科学オンチが増えているという話をよく聞くが、少年少女には、ぜひともこれを読んで科学好きになってほしい。もちろん、おじさんおばさんも科学を好きになって、知的好奇心に溢れる老後を楽しんでほしい。というか、みんなで一緒に楽しもう。
- 感想投稿日 : 2008年10月11日
- 読了日 : 2010年11月6日
- 本棚登録日 : 2008年10月11日
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