久しぶりに文学的なものを読んだなあという気持ち。
コカインで入出獄を繰り返している受刑者がシルヴィア・プラスの詩を好んで読んでいると、刑務所図書館の本で読んだのでどんなものかと手を伸ばした。
詩の翻訳は小説の翻訳より難しい気がして(詩の韻やリズムが翻訳するときに多少なりとも損なわれる)、小説の方を読んでみたのだけれど、ほぉおおという感じ。
初校ゲラができたとき大笑いして破り捨てたとあとがきにあったが、彼女のように(って詳しくは知らんけど)繊細でシニカルな人間が、自伝的小説を書くとそういう気持ちにもなるのかなと。
前半のニューヨークの描写は、主人公が憂鬱とはいえ出てくるものがキラキラしていてステキだった。けれど、後半の主人公が自殺未遂をしてから精神病院に入ってそこで鬱々とする描写は読んでるこちらもつかれた。ベルジャーにいるみたいとはよく言ったもので、現実と自分の間がガラスで覆われているような感覚がずっと描写されている。
主人公をうんざりさせた世界がどんなものか読むとよくわかる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(海外)
- 感想投稿日 : 2018年11月2日
- 読了日 : 2018年11月2日
- 本棚登録日 : 2018年11月2日
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