日本銀行に20年以上奉職した著者の服部氏が、国際通貨基金に出向し、最貧国と言っても良いほど赤字に苦しんでいたルワンダの中央銀行総裁を6年間果たした実話。
服部氏は実際には中央銀行総裁職に留まらず経済再生に関わる施策立案にも携わる、名実共のルワンダの経済発展に寄与した人物。
明確かつわかりやすい筆致、何より表面に捉われず真に必要としている要素が何かを当時の知識層である外国人専門家ではなくルワンダ人に当たり自ら分析し、世界でも有数の日本銀行の銀行家として言葉通り誠実に職務に取り組んだその姿勢にこそ感銘を受けた。
そして最初の数ヶ月の任期を延長を重ねて計6年果たしルワンダの成長の礎をつみ上げた著者に尊敬の念を抱く。
その後の悲惨な武力闘争についても変わらず独自の分析に基づく大国に翻弄される諸国、その中でも信念を持ち人道斯くあるべしを体現したフランスの対比も今の世の中には意味のある増補だと感じる。
一読を勧めたい。
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- 感想投稿日 : 2023年11月14日
- 読了日 : 2023年11月14日
- 本棚登録日 : 2023年11月14日
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