淀川さんの映画ガイド本は「淀川長治映画ベスト1000」、「ビデオで観たい名画200選」など、文字数が少ないものが多い。淀川さんのコメントが、ワンポイントアドバイスの様に短いので、もう少し語ってもらいたいなと物足りなく感じていたが、本書は見開き2ページで1作品を紹介しており、文字も文庫本の様な小さい文字なので、割と文字数が多い。作品についての解説は、やっとこれくらいの文字数で満足できるという量なので、まずはそこが良いポイントだった。
映画ガイドは写真も重要な情報になる。映画の一コマを見ただけで、どんな映画か大体イメージが沸く。文章だけで作品の魅力をいくらうまく語っても、写真がないとどんな映画かイメージしづらい。本書は1作品に付き写真が2枚掲載されているので、その点で合格だと言えるだろう。
これでオールタイムの映画ガイドなら尚良かったが、残念ながら1989年〜1998年公開作しか載っていない。それは本書が、雑誌「an・an」に連載された記事の寄せ集めから作られたからだ。掲載されている作品数は196本あるが、この様な出自なので当然、名作や話題作ばかりではない。だから、個々の作品ガイドとして読むよりは、淀川さんの映画に対する考え方を読むという捉え方で読んだ方が多くを得られそうだ。
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- 感想投稿日 : 2024年2月7日
- 読了日 : 2024年2月7日
- 本棚登録日 : 2024年2月7日
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