斉藤由貴さんの曲に、『家族の食卓』というのがあります。この本を読んだら、その曲を思い出しました。
私たちの幸せって、人によって違うとは思いますが、結局のところ、特別な思い出がいっぱいあることではないな、と思うのです。
普通なこと。
ありきたりと言ってもいいかもしれません。
そのときは、別に何も思わなかったことが、あとになってみると、とても価値のあるもので、つまりは、そういうありきたりの毎日を過ごせるということが、一番の幸せだと思うのです。
この本、『ぶたばあちゃん』でも、最初は、ぶたばあちゃんと孫むすめの、特にどうということのない、日常が描かれています。
これがいいとうか、大事なんですよね。これがないと、そのあとに来るものが、読み手に迫ってこない。
そして、その日は、ある朝突然やってきました。
そのあとの、二人の過ごし方がまたいいんですよ。別に特別なことは何もないのですが、二人が、二人だけの貴重な時間を過ごす。
誰もがそうしたいと思うのだけれど、それはあまりにも突然やってくるので、なかなか出来ないことが多い。でも、そうしたいから、せめて絵本の中で、完璧に、やって欲しい。
そんな読み手の気持ちを、見事にかなえてくれます。
そして・・・孫むすめが小さい頃、ぶたばあちゃんにしてもらったことを・・・。
私も・・・思わず涙があふれました。
余談。
私としては、何としても斉藤由貴さんの『家族の食卓』ですが、人によっては、THE虎舞竜の『ロード』の、さびの部分を思い浮かべるかもしれません。
まあ、言ってることは同じなのですが、それはそれ、雰囲気が全然違うということで。
私たちの幸せって、人によって違うとは思いますが、結局のところ、特別な思い出がいっぱいあることではないな、と思うのです。
- 感想投稿日 : 2020年4月20日
- 読了日 : 2009年8月4日
- 本棚登録日 : 2020年4月20日
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