医者が教える 人が死ぬときに後悔する34のリスト

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  • アスコム (2013年6月27日発売)
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『医師が教える 人が死ぬとき後悔する34のリスト』 川嶋朗

入院中に、病院においてあった為、読むことにした。人生訓的な本かと思いきや、医師である川嶋氏がハーバード大学医学部を卒業した上で、出したご自身の統合医療に関する熱意を本にしたもので、医学的な主張が多い。西洋医学は、症状の直接原因を突き止めることが出来るが、それがなぜ生じているのかはわからない。それゆえ、症状の直接原因を抑える対症療法が西洋医学の限界であると主張する。
例にすると、下痢の直接原因は炎症ということは検査でわかるが、なぜ炎症があるのかということは高度な病になるとわからない。西洋医学では抗炎症薬で炎症を抑え、下痢を抑えることができるが、そもそもなぜ炎症が起きたのかはわからない。
こうした中で、筆者は東洋的な身心一元論のエキスを入れた統合医療を推進する。まず、病になった理由は、がんであれ必ずあるとし、その原因を、身体的なものだけに求めず、ストレスや心の状態なども含めて総合的になくしていくように努めるものである。病になった生活習慣やストレスのたまる物事のとらえ方などを根本的に直すことで、病にならない身体になる。身体は想像以上にブラックボックスであり、未だ医学的には証明されていない現象も起こる。精神的なしこりをなくせばがんが消えたなどの不思議な現象もあり、身心一元的に治療を行うことやアドバイスをして気分を変えるというアプローチへの一定の理解も求める。
なお、エンディングノートや、生きる意味、人生の目標、そして、ひいてはどう死にたいかなどをしっかりと考えることで、クオリティ・オブ・デス(QOD)の向上を提唱する。

今回、自分が大腸炎で入院したことは、身心共に身から出た錆であると痛感した。自分が死ぬとき、何をしたいのかなどを明確に考えておくこと、そして、病気に至った精神的な面でも修復するためになにが必要なのかを追求したい。ひとまず40歳までのライフプランを建てることが出来たことはこの入院の大きな収穫であったであろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年7月6日
読了日 : 2019年7月5日
本棚登録日 : 2019年7月5日

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