空襲で荒廃していた増上寺の徳川家墓所を整理・改葬するにあたり、歴代将軍(6人)とその奥さんたち(10人)の遺骨を調査した著者による、一般読者向けの本です。
戦国時代の名残を残していた2代・秀忠から、代々特殊な環境下で生まれ育ったことにより、時代が下るにつれて様々な“小進化”をとげて、将軍たちの骨は特徴的な様相を呈していた、とのこと。
現代の庶民をも越える“超未来タイプ”の顔つきだった、ということらしいです。
8歳で亡くなった7代家継の棺には、9束の女性の髪と、箱に納められた約4000個の爪が副葬されていたとか、言語不明瞭で大岡忠光にしか言葉が聞き分けられなかったと言う9代家重の歯は、歯ぎしりですり減っていた、とか、甘いものが大好きだった14代家茂は、それで命を縮めたとか、興味深い事実が満載でした。
和宮については、失われた湿板写真や、見つからなかった左手首から先など、やはりミステリアスと言うかドラマチックと言うか。
将軍家以外にも、伊達家3代など大名とその家族についても触れられています。
頭蓋骨各部のサイズの比較検証などは少々退屈ですが、歴史をより身近に感じさせてくれる良書。
読書状況:読み終わった
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本
- 感想投稿日 : 2013年11月12日
- 読了日 : 2013年11月11日
- 本棚登録日 : 2013年11月11日
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