骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと

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  • 東京大学出版会 (1985年12月1日発売)
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空襲で荒廃していた増上寺の徳川家墓所を整理・改葬するにあたり、歴代将軍(6人)とその奥さんたち(10人)の遺骨を調査した著者による、一般読者向けの本です。

戦国時代の名残を残していた2代・秀忠から、代々特殊な環境下で生まれ育ったことにより、時代が下るにつれて様々な“小進化”をとげて、将軍たちの骨は特徴的な様相を呈していた、とのこと。

現代の庶民をも越える“超未来タイプ”の顔つきだった、ということらしいです。

8歳で亡くなった7代家継の棺には、9束の女性の髪と、箱に納められた約4000個の爪が副葬されていたとか、言語不明瞭で大岡忠光にしか言葉が聞き分けられなかったと言う9代家重の歯は、歯ぎしりですり減っていた、とか、甘いものが大好きだった14代家茂は、それで命を縮めたとか、興味深い事実が満載でした。

和宮については、失われた湿板写真や、見つからなかった左手首から先など、やはりミステリアスと言うかドラマチックと言うか。

将軍家以外にも、伊達家3代など大名とその家族についても触れられています。

頭蓋骨各部のサイズの比較検証などは少々退屈ですが、歴史をより身近に感じさせてくれる良書。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年11月12日
読了日 : 2013年11月11日
本棚登録日 : 2013年11月11日

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