いつか、君へ Girls (集英社文庫)

制作 : ナツイチ製作委員会 
  • 集英社 (2012年6月26日発売)
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本棚登録 : 678
感想 : 86
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いつか、君へ。
このテーマで書かれたアンソロジー。
いつだったか遠い昔だけど~少女だったことがある身には、何となく馴染む感覚がありました。

三浦しをん「てっぺん信号」
高一の江美利は、地味でずっと学校で友達がいなかった。
転校生と近づきになろうと計画し、何とか友達になることに成功。
その竹田しづくは、かなり綺麗な子だった。
外見にコンプレックスのある江美利には、まぶしい存在。
窓際の席で外を眺めていると、対岸の丘の上から、モールス信号で「元気ですか」とまたたく光が‥
ある日、江美利は?
老人ホームにいる女性の言動がユーモラスで、ラストもいい感じ。

島本理生「きよしこの夜」
姉が自殺してしまった高二の女の子。
武田くんに告白されるが、受け入れられない。
つかず離れずの微妙な関係がリアル。

関口尚「カウンター・テコンダー」
ライバルを倒すために、闘い方を変えたいと、指導を求めてきた女の子。
異色なスポーツ話。

中田永一「宗像くんと万年筆事件」
小学生のとき、人の万年筆をとった疑いをかけられた女の子。
家が貧乏な宗像くんは、お風呂にも入らず、皆に遠ざけられていたが。
まめに皆に質問して推理し、ついに濡れ衣を晴らしてくれた、英雄なのだ。

橋本紡「薄荷」
付き合っている相手がいる女の子。
クラスには個性的な子もいるが、自分はそうではないと自覚している。
それでいいんじゃないかなあと何となく思う日々。

今野緒雪「ねむり姫」
SFで、意表をつかれました。
ねむり姫は王子と出会った途端、すぐ結婚する気になれたのだろうか?それで良かったのか?という疑問からの発想。
とある惑星に不時着した16歳の少年OG。
茨を切り分けて中に進むと、前に不時着したらしい少女がドレスを着てカプセルの中に眠っていた。
遺伝子に傷がついて女性が生き延びられない宇宙で、100年後に望みを託してコールドスリープしていたのだ。
大いなる者の意志?とはいえ他の誰かに勝手に決められた相手なんていやだという少女エヴァンジェリン。
その気持ちを理解できなかった少年だが‥

少女の内心をすぐ推測できなくて、遠い目になってしまいました。
「そんなんじゃなくて、君が好きなんだ」と言って欲しかったわけね。んまあ♪

テーマにぴったりなのかどうか?というと~ややばらつきがある気はしましたが、読んで損はないと思います。
いろいろな味が楽しめるのが、こういう本の面白いところ☆

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2013年4月23日
読了日 : 2013年4月22日
本棚登録日 : 2013年4月11日

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