ペナンブラ氏の24時間書店

  • 東京創元社 (2014年4月20日発売)
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本棚登録 : 996
感想 : 126
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謎めいた本屋をめぐる冒険譚。
グーグルを駆使した探索など、現代ならではの展開が波乱に富んでいて、本好きを楽しませる内容。

失業中の青年クレイは、たまたま「ミスター・ペナンブラの24時間書店」で働くことになった。
まったく繁盛していないのに、文字通り24時間営業。
3人でまわしていて、クレイは深夜勤務。
店頭にはごく普通の本が並んでいるが、売る気はほとんど見られない。
奥の別室には高い天井まで古めかしい背表紙の本がぎっしり並んでいる。会員制で、借りられるのは会員のみ。
店員は本を覗いてもいけないことになっているが、思わずある日覗いてみると‥?

秘密結社のような会員達。
彼らは学びながら、500年越しの謎を解こうとしているらしい。
クレイは、グーグル社に勤める才媛キャット・ポテンテと知り合い、付き合い始める。
興味を持つようになったキャット達の助けを借りて、書店の秘密を探ろうとする。
途中からは、ミスター・ペナンブラを助けたいという気持ちもあって。

「ドラゴンソング年代記」(ありそうだけど架空?)を愛読し、ゲームにもはまっているクレイ。
ネットゲーム仲間のニールは、現実にはソフトウェア会社の経営者となっている。
ルームメイトのマットは、特殊効果アーチスト。
こういった特技のある面々と、ネットを駆使しながら、RPGのように、冒険が進むのです。
キャットが魔法使いという立ち位置らしい。
あまりぱっとしない印象だったクレイが、人脈や能力をフルに生かしてやり遂げたこととは‥

ちょっと現代版「薔薇の名前」みたいですね。
‥‥こういう結末?
と思う部分もあるけど、いいシーンがあちこちにあって、面白かったです。
よく書き込まれている力作ですけど、誰にでもお勧めと言うには渋いので、★4つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(未分類)
感想投稿日 : 2014年9月6日
読了日 : 2014年8月29日
本棚登録日 : 2014年8月20日

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