恋の香りは秋風にのって (ライムブックス)

  • 原書房 (2006年11月10日発売)
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感想 : 24
4

壁の花シリーズの2作目。

19世紀半ばの英国。
パーティーで誰にも相手にされず、壁の花になっていた4人の娘達が協力して結婚相手を見つけようとするロマンスもの。
1作目では、最年長のアメリアが結婚、もうラブラブの新婚さんです。

2番目に年長なのは、アメリカの大富豪ボウマン家の長女リリアン。
背が高く、猫のような大きな目の頑固なおてんば娘で、実に生き生きとしています。
父親が成金で、イギリス式の礼儀作法にはうとく、無作法に見られていました。

ウェストクリフ伯爵邸での数週間に及ぶパーティに、ボウマン一家は招待され、リリアンは両親と妹とともに滞在しています。
アメリアの夫は、ウェストクリフ伯爵マーカスの親友。
マーカスは堅物で、厳格な父親に性格がゆがむほどの教育を受けて育った男。父は既にないが、母親もかなりの難物。
妹二人がアメリカ人と既に結婚しているため、血統を守るためにもイギリスの名家の娘と結婚する必要がありました。

傲慢で堅苦しいマーカスと、のびのびして気の強いリリアンは互いに気に障り、天敵のように思っていましたが‥
周りの見るところは違い、互いに意識している様子をさりげなく後押しします。

香りに強い感覚があるリリアンは、男性の心を惹きつけるという香水を手に入れ、パーティでつけたところ、マーカスの思いがけない反応を呼び覚まします。
ではと4人でつけてみたけれど、他の男性には反応が起きない?

マーカスとは学校以来の長年の友人であるセントヴィンセント子爵セバスチャンは、美貌だが評判はあまりよくない男。
リリアンに近づき、正式に交際するように。
なんだかんだでマーカスとの仲が深まってきたとき、セバスチャンはある暴挙に‥?

コメディ的な要素も多く、楽しく読めました。
あまりにも気が合わなそうな伯爵の母親に、イギリス上流社会の礼儀作法を教わる姉妹の反応など、傑作。

情景が思い浮かぶような、生き生きした描写。
反発していた二人がどう近づき変化するかが、なんといっても面白いですよ。
エピローグの意外さもgood!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ロマンス
感想投稿日 : 2013年4月25日
読了日 : 2013年4月22日
本棚登録日 : 2013年4月24日

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