室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2018年1月19日発売)
3.81
  • (10)
  • (26)
  • (15)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 198
感想 : 23
5

室町時代、南北朝の争乱をテーマにドラマチックに
書いた時代小説。

時は、室町幕府、三代将軍、足利義満の時代。
南朝の皇女・透子は、ただ一人乳母、唐乃を連れ、密かに吉野の行宮を抜け出し、南朝を裏切り、北朝へ寝返った、楠木正儀に翻意を迫るため、京へ向かった。

京に着いた早々、人買いに拉致されてしまった二人。

その二人を救出したのは、仇敵、足利義満と、猿楽師の鬼夜叉(後の世阿弥を名乗る美少年)だった。

後醍醐帝の遺志。志半ばで死んでいった同士達の思い。それらを背負い、40年間募らせた憎悪を捨てられない宗良親王。
不毛な戦いであるからこそ一刻も早く終わらせて、これから先、100年を見据えた政をするべきとする義満の主張。

噛み合わない主張に、巻き込まれる、透子。

肩肘張らない内容で、でも、感動的で、ページを捲る手が止まらなかった。

歴史的には、遭遇していないと言うが
義満と言えば一休さん。
一休さんのお話に出てくる義満とは、全然違った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月12日
読了日 : 2023年9月12日
本棚登録日 : 2023年9月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする