もしもぼくにおにいちゃんがいたら…誰もが理想とする完璧なおにいちゃん像がこの絵本には描かれている。
「ぼく」が想像する「おにいちゃん」は、寂しい留守番のときも弟の面倒をちゃんとみて一緒に遊んでくれるし、野球を教えてくれるし、嫌いなニンジンはお母さんが見ていないすきにこっそり食べてくれるし、怖い夢を見た夜は一緒の布団で寝てくれるし…できないことなんてないんじゃないかと思うくらい完璧で、とても頼りになる「おにいちゃん」である。
最後のオチがまた良い。「ぼく」はお父さんとお母さんに「おにいちゃんがほしい」と頼むのだが、実はもうすぐ「ぼく」自身がその「おにいちゃん」にならなければならないのだ。「ぼく」は果たして理想のおにいちゃんになれるのだろうか。たぶん、完璧とまではいかないものの、きっと優しいおにいちゃんになってくれるだろうと思う。
もうすぐ「おにいちゃん」になる子には心構えとして、すでに「おにいちゃん」である子(大人も含める)には初心を思い出すために、「おにいちゃん」がいない子には想像力を育むために読んで欲しい絵本。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
☆絵本・童話
- 感想投稿日 : 2012年6月7日
- 読了日 : 2012年6月4日
- 本棚登録日 : 2012年6月2日
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