神南署安積班では、刑事らしくない部長刑事、ツキを持つ男として、須田の活躍が痛快に描かれる。シリーズものの魅力は、丁寧に描かれた個々のキャラクターが成長してゆく姿が楽しめるのが魅力だ。
東京ベイエリア分署を舞台にした『二重標的』『虚構の殺人者』『硝子の殺人者』を読んだ後、神南署に舞台を移した1作目から3作目である『蓬莱』『イコン』『警視庁神南署』が手に入らなかったので、止むお得ず4作目の『神南署安積班』を先に読んだ。9作の短編から成るこの作品は、安積係長を囲む登場人物が繰り広げる人間ドラマが描かれ、横山秀夫さんの短編に近い雰囲気だ。
些細な噂で、交通課の速水係長や部下の黒木を心配し、コソコソと探りを入れる安積係長は、テレビドラマで佐々木蔵之介さんが演じる安積剛志とは異なり繊細な性格の持主か?結果的に心配事は杞憂に終わり、安積は、上司や同僚、部下に恵まれている自分を噛みしめる。見逃した2冊も手に入れないと。
神南署安積班は、シリーズ初の短編ということで、安積班にとっては、ターニングポイントになるような作品なのかもしれませんが、月曜ミステリーシアターで放送したら受けそうなネタばかりですね!水戸黄門のような勧善懲悪・予定調和の毎週完結の脚本も良いのですが、私としては、今野敏さんの原作に沿って、1話を5回ぐらいで放送するドラマに仕立てて欲しいな!速水が運転するスープラ3000GTパトカーのカーチェイスも見たい!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学・小説(エッセー・対談)
- 感想投稿日 : 2014年2月11日
- 読了日 : 2014年2月11日
- 本棚登録日 : 2014年2月11日
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