絵もセリフも依然として相当高度だ。といっても細密なのではなく、描き込み過ぎないから、読み手の想像(純助が笑介にいう「そーぞー」)が膨らむ。星の子学園という恵まれない子どもたちが暮らす施設のエピソード。外部から見て惨めに思える場所も、その日常は笑いや悲しみが織り込まれ、生きる力に溢れている。
重要なのは現実を支える虚構の力。めぐむのカップの話、豚の脱走、ミクロマン、メディア向けの「お涙頂戴」的な話。いい悪いの話ではない。虚構が現実を変える。そういうことだと思う。
3ではとくに指、爪の描き方がポイントだ。園長先生だけではなく、牧男、めぐむ、純助、春男から掃除のおばさんに至るまで。いずれも顔の表情以上のものを読みとることができる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年2月12日
- 読了日 : 2013年2月10日
- 本棚登録日 : 2013年2月12日
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