日本語の冒険 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2016年12月22日発売)
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本棚登録 : 67
感想 : 6
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エッセイと思って読み進めて、2つ目の項で短編集だ!と気づきました。1つ目で気づけよっていうね。
日本語にまつわる物語…?短編集ですね。
買った動機「エッセイ読みたい」はかなわなかった訳ですが、おもしろかった!日本語ってこんな表情あるのねーと愛しくなります。
お話ごとに日本語違った角度から扱っていて、「なかなかその角度では考えたり見たことがなかった」と、ふむふむおもしろいのぅと読みました。

特にどれが良かったというと2つめの俳句・短歌の話、最後の助詞の話かな。
俳句・短歌の話を選んだのは、純粋に読んで「俳句って美しいなぁ」という感想を持ったことが印象に残ってるから。正直国語の勉強の題材だとか、父親がテレビで俳句番組を見ていてちっともおもしろくなかった、という印象が強いのでまーったく興味がなかったのですが、紹介されている俳句・短歌を読んで情景がばっと広がるのは少し感動しますね。歳とったからなのか、ちゃんと向き合うようになったからなのか。個人的にはより短い言葉の中にぎゅっと入れ込む俳句の方が好きです。余計を極限まで削り落とす美しさを感じました!好きなうたを50出すという話なんですが、真似しようとちょいちょい調べています。
最後の助詞の話は、日本語の積み木が踊りながらそれぞれの助詞ってこんな役割あるんだぜって歌うというなんともシュールな話なんですが。「米洗う前に蛍が二つ三つ」「米洗う前へ蛍が二つ三つ」「米洗う前を蛍が二つ三つ」蛍がだんだん動く様、ちょっとした感動です。こう並べるとおもしろかった2つを選んだ基準は「発見があった」ということかな。
日本語だけじゃなくて、ほかの言葉も奥深いのでしょうねー。ううむ、世の中はおもしろいものにあふれている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年1月20日
読了日 : 2017年1月20日
本棚登録日 : 2017年1月20日

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