イチバン親切な 棒針編みの教科書

  • 新星出版社 (2010年9月1日発売)
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本棚登録 : 81
感想 : 7
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 2ちゃんねるの編み物初心者スレで分かりやすいとお薦めされていたこの本。基礎本の類は何冊も持っているのだが、興味があったので図書館で借りてみた。
 残念ながら、手持ちの書籍を処分してもこの1冊で全部OK!というほどのものではなかったが、初心者がまず手にする教科書としては、充分な内容であると思う。

 「基本編」では、糸のかけ方に始まり、表編み・裏編みといった基本的な編み方。「テクニック編」では、増し目減らし目やとじはぎといった技法。「事典編」では、編み目記号と編み図の読み方の解説。そして「作品編」では、マフラーやボレロなどの小物の編み図。
 作例には、実際に編んでみたいと思わせるかわいいものが多い。これまでなわ編みは未経験だったし正直あまり興味も無かったのだが、この「アラン模様のベレー帽」は作ってみたいと思った。編み進めながら読んでいけば、一通りの知識は身に付くだろう。

 また、写真や図解だけに頼ることなく、しっかりと文章で手順が説明されているのがとてもよい。
 例えば、「別鎖の作り目をほどいて、目を拾う」の項目。「(別鎖の)糸を引っ張ると目がほどけていくので、1目ずつ向こうから棒針を入れて目を拾いながら…」という文章がある。
 「…なのでこうするのです」「…するとこうなります」という動作の説明があるので、納得できて理解が早いと感心した。

 さらに、テクニック編の末尾にある、「こんなときどうする?」という項目がよい。途中で編み間違いに気付いたときの処理などが解説されている。
 手芸において、細かい知識はあとからついてくるものであり、まずは実際に手を動かして覚えていくものだ、という考え方もあるだろう。しかし、周りに経験者がおらず、書籍メインで勉強するには、こうした丁寧さはとてもありがたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 編み物
感想投稿日 : 2010年11月27日
読了日 : 2010年11月27日
本棚登録日 : 2010年11月19日

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