他国から日本へ伝わった子犬の絵。その絵画史の中で、
如何なる姿の子犬たちが生まれ、愛でられたのか。
・図説 子犬の絵の流れ
・犬を愛してきた歴史と、応挙と蘆雪
一章 海の向こうの子犬の絵 二章 日本の子犬の絵
三章 犬の美術あれこれ
コラム、写真クレジット、協力・写真提供一覧有り。
中国、北宋・南宋期のリアルと表現。
朝鮮王朝の李厳のおおまかで素朴な表現。
それらを真似ることから、宗達、狩野派、蕪村、若冲の
子犬となる。一方で独自の子犬の絵が生まれ、昇華する。
応挙の無垢と蘆雪のユルさは、若冲とは異なる凄さ。
応挙犬・蘆雪犬現象と著者が呼びたくなるほどに、
影響を与えている。江戸時代の浮世絵や明治期以降の絵画にも。
更に、彫刻や工芸、染織、禅宗の絵や俳画、「八犬伝」、
絵手本、人の生活の中の犬や愛犬の史跡についても紹介している。
とは言え、難しい内容ではなく、読み易い文章。
そして何よりも、親しみを込めて、わんこ、犬ころ、
ちんころ、ぽちと呼びたくなってしまうような、
小さくてムクムクで、ころんとしている子犬がたっぷり掲載!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
美術・演劇・映像文化・博物館
- 感想投稿日 : 2023年8月14日
- 読了日 : 2023年8月14日
- 本棚登録日 : 2023年8月6日
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