図説 だまし絵: もうひとつの美術史 (ふくろうの本)

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  • 河出書房新社 (2015年12月21日発売)
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だまし絵とは何か?その技法、表現についてを作品から考察。
序 本物そっくり I 建築空間の偽装 II 蠅と貼り紙
III 加速するゲーム IV 壁龕と変装 V 棚の現象学
VI 描かれたカーテン VII表層の戯れ
VIII 状差しという意匠 IXぶらさがるオブジェ
X これはだまし絵ではない 結び
参考文献一覧。

精巧な描写で鑑賞する眼を欺き、錯覚を引き起こし、
遠近法も取り入れ、三次元な奥行きをも表現する、
本物そっくりなだまし絵。
建築空間の偽装と仰視法による天井画は、
こちら側に出てくるようなイリュージョン。
本物そっくりな蠅の意味。
後から貼られたような貼り紙は画家自身の存在の誇示。
ウァニタス画の典型的な髑髏とハイムレイツの過激なだまし絵。
壁龕には何をいれる?静物?彫刻?それとも信仰?
凸面鏡のような設えに描いた中に、収まったのは自画像。
棚にあるのは日常品、本、珍物&奇物。戸棚の中には何か?
取り払ってみたくなるカーテン。
画面を覆い重なるもの。ぶら下がるもの。
著者曰く、エッシャーやアンチンボルト、国芳の絵や
アナモルフォーシスは、似非だまし絵だそうな。
専門用語が多く、読み進めるのが大変でした。う~ん難解。
全ての画像がカラーだけではないのも、残念です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 美術・演劇・映像文化・博物館
感想投稿日 : 2023年4月5日
読了日 : 2023年4月5日
本棚登録日 : 2023年3月25日

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