上流工程で成功する人、つまずく人 (技評SE新書 18)

著者 :
制作 : 新書 
  • 技術評論社 (2009年1月24日発売)
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感想 : 12
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■書名

書名:上流工程で成功する人、つまずく人
著者:荒井 玲子

■概要

誰もがいつかはステップアップを考える「上流工程」。しかし、そ
こではプログラマーやSEとは異なるスキルが要求されるため、戸惑
い、挫折する人も少なくない。どうすれば上流工程で成功できるの
か? 成功する人とつまずく人の違いはどこにあるのか?ベストセラー
『ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人』の著者が、その疑問
に答える上流工程の必読書。
(From amazon)

■感想

読みタイミングが少し遅かった気がします。
内容は、上流工程で必要な事項を、薄くまとめた本という印象です。
「ニーズを拾い上げ、それをフィルタリングして、要件定義が出来
る事」が、上流工程のポイントとし、また、色々な制約の中で、
自分で考える事が重要なスキルだとしています。

言っている事に間違いは無いですが、これを読んだら上記が出来る
のか?と言われれば、答えはNOです。

これらの技術は、こんな薄い本では分かりません。

色々な専門書や実際の現場で失敗をしまくって覚えていくものだと
思います。

実際、現場の制約は現場によって違い、一概にこうすれば出来ると
いうテクニックは上流工程には現状、ないです。

でも、こういう視点を持って上流工程を実施するといいんだなと
分かるだけでも、大分違うと思いますので、簡単な気持ちで読んで
見るといいと思います。

■気になった点

・要望の収集からスコープの確定まで。
  ①要望(ニーズ)の収集
  ②要望のフィルタリング
    実現性、無矛盾性、網羅性の観点で。
  ③要求の仕様化
  ④システムスコープの確定

・フィルタリング済みの要望を、「要求」と呼びます。

・分類力をつけたいなら、思いついてことを線なしの紙に書き出す
 事から始めるといいでしょう。線は優先付をしてしまう効果があ
 るので、避けた方がいい。

・明文化されないものは「知らないもの」

・要求を獲得できる人は、定義が上手です。

・定義力をつける簡単な方法は、辞書を愛読する事です。

・要求を獲得できる人は、相手が何を言いたいのかを考えながら
 話を聴きます。

・あるべき姿と現実とのギャップが「問題」となります。

・要望収集のプロセス
 ①どちら(ビジネス/システム)に属する問題なのかを区別する
 ②何が問題なのかを獲得する
 ③何をしたいのかを獲得する
 ④どのようにしたいのかを獲得する
 ⑤要望を収集する
 
・問題に対して、どうしたいのかを明確にします。
 問題をすぐに解決したいとは限りません。

・要望のフィルタリングは、実現性、網羅性、無矛盾性の観点より
 実施するとよいです。

・スケジュールは、後ろから引くか、マイルストーンを置いて、
 調整していくのがいい。

・スケジューリングをしない人は、「週」で話をする傾向にあります。

・「とりあえず~~しておく」という考え方は、後にとんでもない
 ことを引き起こします。

・顧客は出来ない事は、出来ないと言われた方が次の手が打てるので
 喜びます。出来ないものを出来るというのは、信頼を失います。

・人間は、自分の知らない事は難しいと考える傾向にあります。

・会議を減らすには、会議の目的、決定権を持っている人物、を考え
 これにこたえられないのであれば、会議を減らす余地があります。

・どの技術はどの問題を解決するために生れたものか理解しましょう。

・制約がありそれを工夫して考えるのが、知識労働者です。

・自分の成果物をいくらで買うか考えてみるとよいでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本:ビジネス
感想投稿日 : 2013年12月23日
読了日 : 2013年12月23日
本棚登録日 : 2013年12月23日

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