耳が痛くなる本でした。
「無知」「無関心」であることの「無責任さ」を痛感させられる一冊。
お父さんが東電の社員だという、ゆうだいくんが寄せた一通のお手紙。
それに対する子どもたち、中学生、高校生、大学生、おとなの意見交換。
そして、森達也さんの総括。
子どもたちは、稚拙な言葉で、ちゃんと自分たちの意見をいっぱいいっぱい述べている。
大人がどれだけ言い訳がましいか、はっきりとわかります。
子どもたちの率直な意見のなかで
この事故を再び起こさないためにどうしたらよいか
「勉強する」
「行動する」
ただ、じにんしろ!中止すべきだ!と言うのではなく
具体例をあげたうえで 反対・賛成してもらいたいという意見も。
ヒマワリや菜の花が放射能を吸ってくれるとか、ちがう形で電気を作れないかとか、子どもたちは小さい頭で懸命に考え、お手紙を書いてくる。
おとなはなにしてるんだ、と思う。
じぶんふくめ。
森さんの見解のなかで
「なぜ人は数が増えると間違えるのか」
という問いかけがあった。
みんなと同じ方向に歩けばおとがめなし、という考えは、社会にも学校にも、家庭にすら根づいてしまっている。
日本人の過ちは根深い。
第二次世界大戦で2回の原爆を受け、
戦争後のアメリカ水爆実験で水爆を受け、
日本は原爆と水爆の被害を身をもって知る唯一の国となった。
それなのに、原発保有国第三位。
日本を代表とする漫画、アトムにも、8マンにも、サイボーグ009にも、ドラえもんにだって、小型原子炉が埋め込まれている。
「原発は絶対に安全です」
「でも近くには置きたくありません」
「福島さん豪華なオマケをたくさんあげるから、お願いしますね」
日本の過ちは根深い。
私の年代、それ以下の子どもたちは、どうしたって向き合わねばならない。
原発と、日本と。
- 感想投稿日 : 2012年2月6日
- 読了日 : 2012年2月6日
- 本棚登録日 : 2012年2月6日
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